10年前のむち打ちの後から肩こりがひどかった女性




先日は長男の小学校の卒業式でした。



その卒業アルバムを見てみると、写真を撮られるのが苦手な彼は超不愛想。どのシーンもまるでモアイ像が立っているようでした 笑



普段はけっこう可愛い顔で笑うんですけどね~




こんにちは。神戸市垂水区のokada鍼灸整骨院です。



ある日のこと、少し前から腰痛で通院されていた50代の女性のかたから



「腰はすごく楽になりました!でも先生、実はわたし10年くらい前にむち打ちをしてから、肩こりがずっとひどいんです。こんなのも治療できますか?」



という相談をいただきました。



・むち打ちのあと、首の痛みはほぼ治まって病院での治療も終了した

・でも以前にくらべると不調がでやすくなった気がする

・一度痛めたらもう、こんなものなのかな…



今回の患者さんと同じようなお悩みをたびたびお聞きすることがあります。



もちろん事故の程度やお体のダメージにもよるのですが、できることならそれ以前の元気な状態に戻りたいですよね。



そこでこの度は、じっさいのむち打ちの患者さんのお話を交えながら、皆さんに知っておいてほしいことをお伝えしています。



もしあなたが



「過去にむち打ちになってから不調が続いている」

「少し前にむち打ちをしてから、なかなか楽にならない」



ということであれば、ぜひ最後までご覧ください。


「むち打ち」による首の小さなゆがみ




結論から言えば、



先の患者さんの場合、特に上半身をくわしく観察すると「頭と首の境目の部分の骨」にわずかにゆがみが残っており、その部分の治療をすることで無事に肩こりは治まっていきました。



※じっさいの所、そのゆがみが事故で起きたものだと断言するのは難しいです。ですが結果的として事故後の肩こりが改善したことを考えるとその可能性は高いと思います。



首のゆがみと聞いて、「え?首は病院のレントゲンで確認していたんじゃないの?」と思うかたもおられるかも知れません。



ですが、私たち整体治療の分野で言うゆがみと画像診断上のものとは少し意味が違ってきます。



その違いの一つが骨や関節の「動き」。



レントゲンは確かに大切な検査ですが、止まった状態で撮るものです。むち打ちの場合で言えば7つある首の骨のうち、大まかなゆがみについては判断できるのですが、



どこの骨が動きが硬くなっているのかの判別は難しいのです。



つまり、レントゲン上では分かりにくい異常も骨や関節をじっさいに動かしながら手で検査することで分かることがたくさんあるのです。



この他にも一般的な病院の「むち打ち治療」と整体治療のそれには色々な違いがあります。


整体から見た「むち打ち」治療のじっさい




■「首の治療」だけでは不十分なことがある。


「むち打ち」と聞けば誰もが「あぁ。首を痛めたのだな。」と思うのが普通です。ですが、首が痛いからと言ってそこだけの治療に終始していては、なかなかスッキリしないことが意外と多いのです。



少し想像しながら考えてみてください。



あなたが車に乗っていて後ろからの追突事故にあったとします。その際一番最初に衝撃を受けるのはどこでしょうか?



あたり前と思われるかもですが、まず乗っていた「車体」ですよね。



そして、その衝撃はシートに伝わり次にそのシートに接していたあなたの胴体部分、最後に首~頭部と強い力が流れていきます。(これは状況によって変わります)



つまり、たとえ自覚症状がなくても首以外の部分に負担(ゆがみ)がでていることが多々あるのです。



いつもこのブログでお伝えしているように、ひとの体は部分部分がつながって動いています。



私の21年の治療経験からみても、むち打ちの早期回復にはかなりの確率で他の背骨(胸椎きょうつい=背中の部分)や骨盤の治療が必要になってくるのです。



■事故時の状況は早期回復への大切なヒント



むち打ちの際車に乗っていたのか、あるいは自転車かバイクだったのか。そういった事故時の状況で、治療の内容は全て変えいかなければなりません。



その他にも衝突の時「一瞬でも事故を察知したのか」「別の方向を見ていて知らないうちに事故にあったのか」ということも注意が必要です。



(察知した場合、防衛本能から瞬間に全身に緊張が入りそれを体が覚えてしまいます。→身体的なトラウマ)



・当てられた方向

・車なら座っていた場所

・その時の体や首の向き



など、これらの細かい状況は痛みや不調に反映されていきます。



もしあなたが過去のむち打ち後からなかなか不調がすっきりせず、以前受けていた治療が



「レントゲンと簡単な問診だけ」

「ほぼ首しか治療してもらわなかった」



というものであるなら、筋肉や骨格をこまかく観察して治療してくれる先生を探しましょう。



現に当院でも同じようなお悩みのかたが来院され、関節の微調節で改善するケースがたくさんあります。




【最後に】まれに重症な例では「ムチ打ちで全身に症状がでる」ことも



一般にはあまり知られていませんが、単に「むち打ち」と言っても重症例ではバレーリュー症候群、脳脊髄液減少症など全身にありとあらゆる症状がでるものがあります。



バレーリュー症候群 :ムチ打ちにより首を通る自律神経(交感神経)が刺激され・めまい・耳鳴り・頭痛・疲れやすさ・眼のかすみ・手足のだるさやしびれ など多彩な症状がでるもの。いまだ確かな原因は解明されておらず、明確な診断は難しいとされています



脳脊髄液減少症(うせきずいえきげんしょうしょう):脳と脊髄は「髄液」という透明の液にかこまれています。この髄液が首の衝撃により漏れてしまい・立った時の頭痛・めまい・耳鳴り・全身の疲労感など、こちらも多彩な症状がでてきます。 



もしあなたこれらに思い当たるのなら、一般の整形外科だけでなく「神経内科」に受診してみることをお勧めします。


※残念ながらこのレベルになると徒手療法での対応が難しいです。




まとめ


・むちうちのは首だけの治療では不十分なことが多い

・事故の時の細かい状況を反映させた治療が理想的

・まれに全身の症状がでることがある。思い当たる時は病院へ相談を



いかがでしたでしょうか?



最後は少し恐い話をしてしまいましたが、ごくまれなケースですのでご安心ください。



むち打ちになって首の痛みはおおむね取れて、自賠責の治療も終わった。

でもあれから何かスッキリしない…。事故の前よりも首や肩が疲れやすくなった。


そんなかたが沢山おられるだろうと思います。



もし、あなたが同じようにお悩みでしたら当院へいつでもご相談ください。



誠意をもって対応しあなたの体のどこに問題が残っているのかを確かめ治療いたします。




(監修:柔道整復師・はり師・きゅう師 岡田英士)