首下がり症候群の症状や原因。効果的な治療法について解説します
こんにちは。神戸市垂水区、okada鍼灸整骨院の岡田です。
この度は、「首が前に下がってしまって前を向くのがねツラい」という、
いわゆる首下がり症候群や首下がり症と呼ばれている症状のお悩みについて、3回シリーズでお話していきます。
パート1である今回は、首下がり症候群の概要・説明とどんな治療をすべきなのか、について…
次回以降のパート2、パート3は、ご自身でできる首下がり症候群の解消、予防につながるストレッチやトレーニングをご紹介していきます。(下のタイトルからご覧になれます)
パート2↓
頭が下がってしまう首下がり症候群に効果的な肩や胸のストレッチ
当院へこの首下がり症候群でご来院される患者さんは、それほど多いというわけではないですが、
数こそ多くないものの、
・病院や整骨院で首のマッサージとか電気を続けてても一向に楽にならない
・このままひどくなったら生活がままならなくなってしまう…
このように深いお悩みや不安を抱えておられる患者さんばかりです。
ですので、
もし、あなた自身が首下がり症候群に思い当たる、あるいは身内の方で同じようなお悩みがある、ということであれば、
ぜひ今回の3回シリーズをご覧いただいき、首下がり症候群の解消、予防に少しでも役立ててもらえれば嬉しいです。
首下がり症候群とは?どんな症状?
まずは首下がり症候群の概要、どんな症状なのか、というお話からしていきます。
首下がり症候群の症状にはいくつかの段階があり、
1.最初は肩こりを自覚することから始まり
2.次に頭が重く感じるようになり
3.前を向く姿勢をキープできる時間が短くなってくる
このような流れで症状が強くなっていく傾向があります。
特に、1日の中でいうと、その症状が「午前中よりも午後、夕方になるにつれツラくなる」ケースが多くみられます。(※首の筋肉の持久力が落ちているため)
また、割合としては70代後半から80代以降、いわゆる高齢者の方に多いのが首下がり症候群の特徴ですが、
スマートフォンの使用から下を向く機会が増えたためか、最近では60代の方にも初期症状が見られることがあります。
首下がり症候群の原因について
次に、なぜ首下がり症候群になってしまうのか、その原因については、
比較的、高齢者に多いわけですから、大前提として「加齢による筋力低下」というものが、まず一つあります。
ただし、首下がり症候群の場合は、その元となる病気、骨や筋肉、あるいは脳・神経の病気など… こういった疾患がもととなり、首下がり症候群が出てしまうケースがじっさいにあります。
ですので、
もし、首下がり症候群に思い当たり、なおかつ病院にはまだ受診していない、ということであれば、念のため病院でしっかり検査してもらい病気が隠れていないか診察してもらうことをおすすめします。
※頚椎症やパーキンソン病、筋委縮性側索硬化症、重症筋無力症、甲状腺の病気など、その他にもお薬の副作用であることもあります。また、元となる病気がなくても重症例では首の手術適応になることもあります
首下がり症候群へどんな治療をすべき?
では、上のような病気がない、という前提で、どんな治療をすれば首下がり症候群の改善や予防につながるのか?
それは、私たちのような整体や東洋医学の分野からすれば、
・首だけの治療ではなく、全身から首の負担を軽くするアプローチ
・治療と併用してご自宅でのトレーニングやストレッチ
・できるだけ早期の治療開始
この3つが大切になっていきます。
首下がり症候群の場合、どうしても下がってしまっている首や頭に注目しがちになってしまいますが、
ほとんどの場合、首のした、首の土台である胸やお腹が丸まって伸びにくくなっている状態が見受けられます。
つまり、土台の傾きを補正しようと首の筋肉ばかりに負担がかかり、首へのダメージが蓄積している、ということです。
顔を正面に向ける動きは、大げさに言えば天井の方に顔を向ける動作に近いものなのですが、
試しに、お腹をぎゅっと縮め、背中を丸くした状態で天井を見ようとしてみてください。
次に、こんどはお腹をしっかり伸ばし、胸を広げながら、天井を見てみましょう。
いかがでしょうか? おそらくほとんどの方が、後のやり方で首が楽に感じると思います。
このように、加齢による筋力低下に加え、体全体が首に負担のかかりやすい状態になってしまっていることが首下がり症候群の原因につながります。
ですので、ツラい首や肩ばかりマッサージや電気をしてみても、その直後は楽になることがありますが、根本的な改善は難しいケースが多く、
その逆に、体全体のバランスをしっかり観察して、お腹や胸がしっかり伸びやすく、広がりやすくなるような治療をする…
そして、それを維持できるようにご自宅でもトレーニングやストレッチにはげんでいただくと、少しずつ良い結果が出てくるようになります。
首下がり症候群の場合は、できるだけ早期に治療を開始したほうがよく、またご本人の努力も必要になってくる症状です。
色々な不安はあるかと思いますが、今日のお話で「できること、治療があるんだ」と少しでも希望を持ってもらえたら嬉しいです。
いかがでしたでしょうか?
ぜひ次回のパート2、そしてパート3もあわせてご覧いただいて、首下がり症候群の改善や予防に役立ててもらえればと思います。
それでは、本日も最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
(監修:柔道整復師・はり師・きゅう師 岡田英士)