腰痛の8割以上が原因不明?最新の研究から解説します
こんにちは。
神戸市垂水区のokada鍼灸整骨院、院長の岡田です。
さて、今回のブログでは、ここ数年テレビや雑誌、あるいはインターネットで言われている…
腰痛の85%は
原因が不明だ
ということについて、それって本当なの?
というお話を、私の20年以上の治療経験と、最新の研究から分かっていることで解説していきたいと思います。
やはり、当院にも長年の腰痛でお悩みだった患者さんがたくさんご来院されます。
何カ所か整骨院へ行ってもなかなか楽にならないし、病院のレントゲンでは「特に大きな問題はない」と言われた…
じゃあ、なぜこんなに腰痛が長引くんだ?
と、ご自身でもインターネットで色々調べていたある日「腰痛の85%が原因不明だ」という記事にたどり着く…
「あぁ。8割以上が原因不明なら、この腰痛はもう治らないのかな」
そんな不安をずっと抱えていた…
このように打ち明けてくださる患者さんが度々おられます。
そして、同じようなお悩みをお持ちの方は、他にもたくさんおられるでしょう。
ですので、今回のブログを読むことで腰痛の原因について正しく知り、そういった不安を少しでも解消していただければと思います。
ぜひ、最後までご覧ください。
※動画でご覧になりたい方は、一番下に埋め込んでありますので、そちらをご覧ください。
「腰痛の8割が原因不明」はウソ?
それでは、まず結論から。
もし、あなたが腰痛の8割以上が原因不明だと聞いて、心配や不安に思っておられるのであれば、
それほど怖がる必要は無い
ということです。
というのも、
そもそもテレビや雑誌、あるいはネットで「腰痛の8割以上が原因不明だ」と言われはじめたのは、日本の「腰痛診療ガイドライン」の2012年版で、
腰痛の85%は非特異的腰痛である
と発表されたのが元になっています。
非特異的腰痛というのは原因のわからない腰痛のことで、逆に原因のはっきりした腰痛は特異的腰痛と呼ばれています。
そして、その2012年版のガイドラインは、腰痛研究の先進国、アメリカの学術誌で発表された論文が元になっているのです。
ただ、その論文を書かれたのは総合診療医といって、いわゆる腰痛を専門としている整形外科のお医者さんではない方々なのです。
腰痛の専門家ではないお医者さんが出した論文なわけですから、
もっと腰痛に精通している整形外科医がきちんと研究を重ねたら、より確かなことが分かるのではないか?
ということで、2015年に山口県で腰痛スタディという研究が実施されました。
そうすると、今度は逆に、
腰痛の全体の78%ぐらいは
ちゃんと原因が特定できる
ということが分かってきたのです。
ですので、腰痛診療ガイドラインの2019年版、つまり、新しい方のガイドラインでは、
・過去の腰痛の85%は原因不明だというのは見直す必要がある
・もしろ、78%ぐらいは何らかの原因が特定できる
ということが、きちんと書かれています。
しかし悲しいかな、新しい常識が浸透するには時間がかかります。
いまだに、腰痛の8割以上は原因不明だという記事はネット上でたくさん埋もれていますし、
さらには、その8割のほとんどが精神的ストレスからきているという、私たち専門家からすると無茶な理屈といえる記事まで存在します。
もちろん、ストレスと痛みが密接な関係にあるのは否定しませんが、純粋にストレスだけが原因で腰痛になっている方はごく一部です。私の治療歴20年以上、万人単位で腰痛患者さんを治療させてもらってきた経験から、そう判断しています。
では、後の2割の腰痛の原因は?
きちんと調べると8割近くの腰痛は原因が特定できる…
では、後の2割、原因がいまだ不明と言われていている腰痛についてはどうなのか?
これについても、私たち整体や東洋医学の分野を取り入れるなら話は別です。
私たちの分野では、体全体の動きや血流のバランスなど、整形外科的な考えとは違った観点で腰痛を分析していきます。
じっさい、そのような方法論、治療法で腰痛を解消されている方がたくさんおられるので、
後の2割の部分においても、私たちのような違う分野から見ていくと、対処できる可能性が十分にある、というわけなのです。
あふれる情報に惑わされないために
いかがでしたでしょうか?
今の世の中、色々な情報がありすぎて、不安になる方は多いことでしょう。
ですが、
レントゲンやMRIなどの画像診断はもちろん、それ以外にも整体的な観点でくわしく調べていけば、あなたの腰痛の原因を探り当てていくことは可能だと思います。
じっさい、そのように一つひとつ丁寧に治療していくと、
時間がかかる、かからないはさておき、ほとんどのケースで当院の腰痛患者さんも良くなっています。
※下のリンクはじっさいの患者さんの腰痛解消ストーリーです。よければ合わせてご覧ください。
https://okada-hari-seikotsu43.com/?cat=186
正しい情報を探すのは、なかなか難しいことですが、
ぜひ、冷静に考えて、希望をもって色々なケアに挑戦いただければと思います。
今回のブログで、あなたの腰痛に対する不安がほんの少しでも和らぐことを願っています。
それでは、
本日も最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
↓今回の記事の動画です。
(監修:柔道整復師・はり師・きゅう師 岡田英士)