右顔のビリッとする激痛(三叉神経痛)が全く出なくなった女性のお話
先日の花粉症のブログでは「え?整骨院で花粉症治療?」と思われたかたがきっとおられたでしょうね。
今回もそんな「一見、整骨院とは関係なさそうなお悩み」の改善事例をご紹介します。
こんにちは。神戸市垂水区のokada鍼灸整骨院の岡田です。
あれ?顔半分がビリッと痛い!
・顔をぶつけたり歯が悪いというわけでもないのに顔半分が痛い
・ずっと痛いのではないけど発作のように急に痛みだす
・顔の神経痛?これどこで診てもらえれば良いの?
この度はそんな「顔のビリッと刺すような痛み(三叉神経痛:さんさしんけいつう)」でお悩みだった患者さんのお話をご紹介します。
原因が思い当たらない顔の痛み。
しかも、発作のように突然刺しこむ痛みに襲われるとなると、いつ出てくるのかビクビクして不安な日々を過ごすことになりますよね。
じっさい、今回の患者さんも同じようにお悩みでした。
もし、今読まれているあなたやご家族にも思い当たる部分があるなら、ぜひ今日の事例を参考にしていただければと思います。
右顔の痛みでお悩みだった女性
「先生、お久しぶりです〇〇です。実は、顔の神経痛?がツラいのですが先生のところでも治療してもらえるでしょうか?」
ある日、以前腰痛で通院されていた女性の患者さんから久方ぶりのご相談がありました。
幸い腰は現在も調子が良いそうでしたが、今回は数週間前からの「右顔の痛み」でお悩みとのこと。
くわしくお話をお聞きすると、その痛みは
・発作的にでるビリっと刺すような痛み
・痛みが続くのは短く、数秒から1分ほど
・それが何度もくり返されている
という状況でした。
ご本人としては思い当たる原因がなく、神経痛のようなその症状から「顔面神経痛みたいなもの?」と思われていたそうです。
発作がない時はウソのように何ともないのですが、いざ何かの拍子で痛みがでると耐えがたいほどツラく、
いつその発作に襲われるのかと不安になりながらも、コロナ禍で混む可能性のある病院への受診は気がすすまず、また「そもそも何科に相談すれば良いか分からない」という理由から当院へご相談いただいたというわけです。
ひとしきりお話をうかがい、その症状の特徴から三叉神経痛(さんさしんけいつう)の可能性があると思われました。
三叉神経痛とは?:顔や口の中、目の「感覚」を脳に伝えている三叉神経に何らかの刺激が加わって顔に痛みがでるもので「突発性(真正)三叉神経痛」と「症候性(仮性)三叉神経痛」に大別されています。一般的に三叉神経痛と言えば前者(突発性)のことを指し、今回の患者さんのお悩みはそちらの特徴に合致していました。この場合で病院へ相談するなら脳外科や神経内科になります。
激しい痛み、そしてお顔の症状なので発作が気になって買い物にも行きづらいと、ほとほと困っておられました。
※今回の患者さんは「病院への受診は気がすすまない」というケースでしたが、まれに三叉神経痛の原因が腫瘍であることもあります。もし似た症状でお悩みでしたらまずは病院へご相談いただき、その上で鍼灸治療をご検討くださればと思います。
3回の鍼灸治療で痛みがほぼ0に
三叉神経痛は顔への刺激(洗顔や食事、冷たい風が当たるなど)で痛みが誘発されることがあり、
また、ストレスとの関与も考えられているため、
・痛む場所以外からのアプローチ
・首~上半身の緊張をリラックスさせる
ことを中心にして治療していきました。
また、ご自宅で簡単にできるリラックス法もお伝えして、治療と並行して続けてもらいました。
当院での三叉神経痛への治療は、日本ペインクリニック学会誌で論文が紹介されている頭皮鍼治療(顔の痛む側と反対側)を参考にしています。簡単に言えば頭皮(脳)への刺激で三叉神経の興奮をおさえようという目的の治療です。
その結果、3回の治療で顔の痛みがほとんど0になり、数か月たった現在でも「全く出ていません」と嬉しいご報告をいただけるにまでなったのです。
一般に三叉神経痛(突発性)は病院で治療されることが多いと思います。
病院で処方される「抗てんかん薬」は、かなりの確率で三叉神経痛に効果があるとされている反面、副作用がでることも多いようです。
その点で言えば、副作用の心配がほとんどない鍼灸治療は三叉神経痛への治療として意義のある選択肢だと思っています。
まとめ
・顔のビリっと刺すような痛み、三叉神経痛
・今日のお話が思い当たるならまずは病院へ
・鍼灸治療も選択肢の一つ
いかがでしたでしょうか?
もちろん、整体や鍼灸治療は万能ではありませんが、一般に思われているより本当はにたくさんの可能性を秘めています。
私自身、21年の治療経験を通してそれを何度となく目の当たりにしてきました。
もし、あなたやあなたの身の回りのかたが顔の痛み(三叉神経痛)でお悩みでしたら、
ぜひ、鍼灸治療も選択肢の一つとしてみてください。
(監修:柔道整復師・はり師・きゅう師 岡田英士)